更年期に多いめまいの原因と対処方法
めまいは、女性に多く発症し、加齢とともに増加します。更年期障害としてのめまいの訴えは、6~12%程度出現すると報告されています。特に、めまいを一度でも経験された方は、この先働き続けられるのだろうかと、不安な気持ちになると思います。また、いつかめまいを発症したらどうなるのだろうかと、不安な方もたくさんおられると思います。今回は、めまいの原因と対処方法についてお伝えします。
目次
めまいの原因は疲れや更年期・寝不足のせい!?自己判断は危険!
最も危険なめまいとして、脳からのめまいがあります。脳からのめまいは、全体の2~5%と少ない割合ではありますが、命にかかわることがあります。
特に、動脈硬化、高血圧、糖尿病の既往歴がある方、更年期以降のめまいであれば一度病院を受診し、精密検査を優先させる必要があります。脳からのめまいではないことが分かれば、次に行うべき治療やリハビリ方法が決まってきます。
めまいの原因として最も多いのが良性発作性頭位めまい症(BPPV)
めまいといえば「メニエール病」と思いつく方が多いのではないでしょうか。しかし実際には、めまいの半分近くが、良性発作性頭位めまい症(BPPV)というものです。
耳の奥の内耳にある「耳石」が何らかの理由で剥がれ落ち、それが動くことでめまいが生じます。耳石は、カルシウムでできているため、閉経後の女性に多く、骨粗鬆症との関連も考えられます。男性より女性の方が3倍も多いと言われています。
めまい出現時間が1分以内と短いこと、動作時のみめまいがある(耳鳴り・難聴がない場合)は、良性発作性頭位めまい症の可能性が高いと言われています。
良性発作性頭位めまい症は、耳石置換法という治療が効果的です。ご自身でもできる場合もありますが、めまいの専門病院にて、できるだけ早く治療を行うことが大切です。早い時期に治療を開始することで、その後の再発率にも影響があると言われています。近くのめまい専門医や頼れる病院を探しておきましょう。
めまいは予防できる?効果的な運動を紹介
対症療法としては、点滴や薬物療法がありますが、一時的な効果になります。根本的にめまいを改善させるためには「継続的な運動」が効果的です。
めまい予防に効果的な3つの運動をご紹介します。
頭頸部ストレッチ
めまいが発症する際は、頭部~耳まわり、頸部付近の筋膜(ファシア)が硬くなり、血流不全が起こっていることが多くあると報告されています。
ゆっくりと頸部や頸部付近のストレッチを行いましょう。ストレッチした後に、タオルなどを使用して頸部の筋肉を動かす運動も効果的です。
胸椎エクササイズ
自律神経が乱れてくると胸椎周辺が硬くなりやすくなります。胸椎の可動域を高めるようなエクササイズを行うことで、呼吸が深まり、全身の血流改善やストレス軽減の効果も期待できます。
目と首の体操
めまいが落ち着いてから、目の動きと首の動きを繋げていく練習が効果的です。
まずは、目の動きを横・縦とゆっくり動かすところから始めていきましょう。少し気持ちが悪いなと感じても、少し休むと治る場合は、トレーニングの負荷量としてはちょうど良いと言われています。
少しずつ慣れていくことで、めまいの予防・改善に繋がります。
まとめ
めまい予防だけではなく、健康的な身体づくりを行なうためには、生活習慣の見直しとストレスの緩和がとても大切です。日ごろから、呼吸やストレッチ、めまい予防の運動を生活の中に取り入れていきましょう。できる運動から少しずつ始めてみてくださいね。
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