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HPVワクチンとは?キャッチアップ接種の実施について

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HPVワクチンとは?キャッチアップ接種の実施について

 

子宮頸がんは、 HPVワクチンの接種により予防することができます。しかし、ワクチンの効果や安全性については、国や多くの医師が情報を発信していますが、「痛いのかな…」「みんな打ってるのかな…」「本当に大丈夫かな…」という気持ちから、接種を決めきれずにいる方も多いのではないでしょうか。

今回は、日頃HPV接種の現場にいる私から「HPVワクチン接種のリアル・あれこれ」をお伝えします。接種を決めかねている方々の背中を押す一助となれば幸いです。

 

HPVワクチンとは

HPVワクチンは、子宮頸がんを予防するワクチンです。子宮頸がんの原因は、ほとんどが性交渉によりヒトパピローマウイルス(HPV)が感染することですので、ウイルスの感染を防ぐためにワクチンの接種が子宮頸がん予防に有効です。

 

HPVワクチンのキャッチアップ接種

子宮頸がんを予防するHPVワクチンの接種を逃した方のための接種(キャッチアップ接種)に関する情報をお伝えします。本来は、小学6年生から高校1年生の女子が定期接種対象となり、無料で接種することができるものですが、2025年3月までは、平成9年度生まれ~平成19年度生まれの女性も無料で接種できるキャッチアップ接種を行っています。

これは、2013年から9年近く国がワクチンの接種勧奨を取りやめていた期間に接種機会を逃していた世代の女性を救済するための取り組みです。

 

現在、HPVワクチンは複数の調査や研究により有効性と安全性が確認され、2022年4月より積極的接種勧奨が再開となりました。

全3回の接種を終了するまでに6か月要するHPVワクチン。3回すべてを無料で終了するためには今年9月のうちに1回目の接種をスタートする必要があります。

 

接種したほうがいいの?みんな打っている?

「接種したほうがいいですか?」この質問は断トツで多い質問です。

しかし、打った方がいいのかという疑問の裏にある気持ちは様々です。

  • 子宮頚がんを身近なものと認識しておらず、自分はがんにならないと思うので打つ必要がないと思う
  • 過去に見た副反応の報道が印象強く、安全性に不安がある
  • 同年代のみんなは打っているのだろうか
  • がん検診だけ受けていればいいのではないか。

「接種した方がいいのかな」という気持ちの裏には、どのような不安や疑問があるのか紐解いてみてください。

 

自分はどこに引っかかっているのかがわかれば、そこに焦点をあててネット検索やかかりつけ医に質問することができ、より効果的に判断材料を得ることができるでしょう。

また「みんな打っているのか?」ということについてですが、ワクチンの情報が十分に行き渡っていないこともあり、日本全体の接種率はまだ低い水準ですが、それでも確実に増えている実感はあります。

私の勤務する施設でも、今年の夏休み以降は接種希望者が急激に増加している状況です。

 

痛みが心配

痛みの感じ方は非常に個人差がありますので一概に言うことはできません。

「思ったより痛かった」「思ったよりは痛くなかった」「インフルエンザのワクチンくらいだった」「めっちゃ痛かった」「まあ耐えられる」などなど、みなさんの感想は様々です。

しかし、一つ言えることは、不安や恐怖により痛みの感じ方は影響を受けるということです。

 

ワクチンに関して不安や疑問がある場合は放置せず、接種当日までに調べたり相談したりして、少しでも不安が解消できるよう努めましょう。

気がかりなことは接種前に医師や看護師に伝えましょう。医療スタッフには遠慮せず、「痛いのが苦手なので心配です」「実は怖くて昨日から緊張しています」「以前注射のあと気分が悪くなった」等々胸の内を話してみてください。

患者さんの気持ちや背景をきちんと把握できるので、話してもらえた方が助かります。

また、医療者や保護者など、周囲の大人が安心できる環境を整えることも非常に大切です。

保護者の不安が子どもの不安と恐怖を増強させてしまわぬよう、もし保護者の方が不安や疑問をお持ちの場合は、まずそちらの軽減に努め、子どもが安心して接種を受けられる環境を整えましょう。

 

私の勤務する施設では、お気に入りのタオルやぬいぐるみを持ち込んで握りしめている、推しの写真を見て気を紛らわす、好きな曲を聴いてリラックスして待つ、接種後は美味しいものを食べるなど、みなさん自分なりの対策をされているようです。

 

接種できる場所

小児科、産婦人科、内科などで接種を受けることができます。お住まいの自治体のホームページ等で、公費接種に対応している医療機関の情報が公開されていますのでご確認ください。

どこで打つのがいいかと質問を受けることがありますが、どの診療科で接種しても効果に違いはありません。不安や緊張が強い方は、顔なじみの医師や看護師がいるかかりつけの内科や小児科だと安心できるかもしれませんし、HPVワクチンをきっかけに婦人科デビューするのもお勧めです。

 

HPVワクチン接種を機に、クリニックの雰囲気やスタッフの感じを見ておくと、今後必要な時に婦人科受診がしやすくなると思います。

 

まとめ

ワクチン接種を最終的に決めるのはご自身です。どちらを選択するにしても、必要な情報を十分に得た上で、ご自身の答えを決めてほしいと願っています。「知らなくて接種できなかった」「接種した方が良いだろうなと思っていたけど、何となく不安でやめた」という未来ある女性が一人でも減りますように。

この記事を書いた人

宮本裕美子

株式会社MEDI-TRAIN
看護師/助産師/保健師
日本思春期学会性教育認定講師
総合病院、クリニックにて、7年間分娩介助に従事。その後、神奈川県内の婦人科クリニックにて、思春期から老年期まで全ての年代の女性を対象にした看護業務に従事。
現在は、湘南鎌倉医療大学博士前期課程にて、リプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)に関する研究を行っている。

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