子宮頸がん検診とは?検査の流れや費用について解説
みなさんは子宮頸がん検診を定期的に受けていますか。「がん」と聞くと、若いうちは大丈夫、家系にがんの人がいないから大丈夫、などと思うかもしれません。20歳を過ぎたら2年に1回の子宮頸がん検診が推奨されています。とは言っても、婦人科の内診は苦手な方も多いのではないでしょうか。
今回は、子宮頸がん検診の不安や疑問が少し軽くなるような情報をお伝えします。
目次
子宮頸がんって知ってますか?
子宮頸がんは、1度でも性交経験がある女性ならば誰でもかかる可能性のあるがんです。そして、20~30歳女性のがんの中で最も多いがん※1なのです。国立がん研究センターの調査によると、2019年では1年間に10,879人の方が子宮頸がんと診断され※1、2020年に子宮頸がんにより亡くなった方は2,887人※2でした。
しかも、子宮頸がんはほとんど自覚症状がないので、自分でも知らないうちに進行してしまい、発見されたときには子宮や命を失うことになりかねないという怖い病気です。
※1 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)全国がん罹患データ(2016~2019年)
※2 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)全国がん死亡データ(1958~2022年)
子宮頸がんとは
子宮頸がんは、子宮の入り口にできるがんです。原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが性交渉によって子宮の入り口の細胞に感染することです。HPVは多くの型があり、すべてが子宮頸がんになるわけではありませんが、子宮頸がんを引き起こす一部の型に感染し、これが排除されずに細胞が刺激を受け続けることで、がんへと進んでいきます。
子宮頸がん検診では、子宮の入り口の細胞を少し採取し、正常な細胞から変化している細胞がないかをチェックします。これにより、がんになる前の細胞をできるだけ早く見つけることができるのです。
子宮頸がん検診について
ここでは子宮頸がん検診にかかる費用や流れ、検査方法について解説します。
①どこで検査できるの?費用は?
子宮頸がん検診を受ける方法は大きく3つあります。
①市区町村のがん検診
自治体が検診費用の一部または全額を負担してくれます。自治体により補助の内容は異なりますが、自己負担額は1,000円前後のことが多いです。
②会社の健康診断
職場の健康診断項目に、子宮頸がん検診を加えて検査を行う方法です。検査の可否や費用の負担額は職場によって異なります。
③自己負担で検診
自分のタイミングで婦人科を受診して検査を受けます。がん検診は自費診療なので、費用は医療機関によって異なりますが、5,000円前後が相場です。
➁検査の流れ
内診台に案内されたら、履物を脱いでズボンと下着を外して内診台に座ります。スカートの場合は下着だけ外せば検査が可能です。内診台が上昇し、軽く足が開きますので力を抜いて楽にしていましょう。その後、クスコというくちばしのような形をした小さな器具を使って子宮の入り口をみつけ、柔らかいブラシで軽くこするようにして細胞を採取します。
がん検診はこれで終了です。前後のお着替えを入れても5分もかからないでしょう。
③服装や持ち物について
がん検診は自費診療ですが、医療機関での手続き上、保険証の提示を求められることが多いので持参すると安心です。
服装はスカートがおすすめですが、タイトスカートでない方がいいです。夏場は、サロペットのようなお洋服一枚だと、ズボンを脱いだ際に上半身まで下着のみになってしまうのでご注意ください。冬場は、タイツを履いてくると着脱に少し時間がかかってしまうかもしれません。
また、こちらは全く気にしないのですが、うっかり穴あき靴下を履いてきてしまった方は皆さん恥ずかしそうにされていますので、気になる方はお気を付けください。
④子宮頸がん検診での痛みはどの程度?
痛みは心配するほどではありません。柔らかいブラシで軽くこするので、少しチクチク・ゴソゴソする感じがする程度です。ただ、クスコという膣を開くために使う器具の挿入が苦手という方もいるでしょう。そんな時は、「内診苦手です」「痛みに弱いです」「以前痛かったので心配です」などと教えてください。
直接医師に言いにくければ、受付のスタッフや看護師にお声がけください。検査の影響で少し出血することもありますので、おりものシートを1枚持っていると安心です。
正しく検査するために月経中を避けて行うのがベストですが、月経の終わりかけなど経血が少なければ検査が可能なこともありますので、検査機関に確認してみましょう。
また、子宮頸がんの原因のほとんどは性交渉によるHPV感染なので、性交渉の経験がない方は必ずしも子宮頸がん検診を受ける必要はないとされています。
まとめ
いかがでしたか。子宮頸がん検診のハードルが少しでも下がっていれば嬉しく思います。
女性は生涯の健康のために、気軽に相談へ行ける「かかりつけ婦人科」をもつことが勧められます。気になる婦人科を見つけたら、まずは子宮頸がん検診に行ってみてください。院内の雰囲気やスタッフの対応をチェックして、あなたの専属婦人科を見つけてみてくださいね。
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