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どのタイミングで受診すればいい?妊活や不妊治療の相談

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どのタイミングで受診すればいい?妊活や不妊治療の相談

 

将来子どもを持ちたいと考えている方や、近々結婚を予定している方にとって、妊活や不妊治療は気になるテーマの一つでしょう。

国の調査によると、2.6組に1組以上のカップルが不妊について心配したことがあり、4.4組に1組のカップルが不妊症の検査や治療を受けたことがあると答えています※1。

とはいえ、そう言われても今一つピンと来ないという方も多いのではないでしょうか。

「なんとなく自分たちは大丈夫かな」「授かりものだから自然なタイミングで」そのように思う気持ちもよくわかります。

だからこそ「不妊検査ってした方がいいの?」「どのタイミングで病院に行くべき?」と、迷ってしまいますね。

「気になっているけど…どうしようかな」と思っているうちにも時間は過ぎていきます。

今回は、そんな「不妊相談に行くタイミング」についてお話したいと思います。

 

不妊ってどういうこと?

日本産婦人科学会では、不妊の定義として「妊娠を望む健康な男女が避妊をせず性行為をしているにも関わらず、一定期間妊娠しないもの」としています。一定期間とは1年を目安としています。

 

1年妊娠しなければ受診すればいいの?

不妊の相談や不妊検査に行くべき明確な基準が決められているというわけではありませんが、不妊の定義を参考に1年という数字を一つの目安として受診される方も多いのは事実ですし、そのように考えるのも方法の一つです。

しかし妊娠には、年齢や健康状態、生活習慣などさまざまな要因が関係します。また、絶対に欲しいのかできれば欲しいのか、何人ほしいのかなど、妊活に対する環境や条件は人それぞれです。

パートナーと家族計画を含めた人生設計を日々の中で話し合い、「一度このタイミングで行ってみようかな」と思うタイミングで受診するのが基本ではありますが、次のような方はより計画的に受診をご検討ください。

 

35歳以上(男性も女性も)

35歳以上の女性では卵子の質が低下し、妊娠する力が低下していくことは一般的に知られるようになったためご存知の方も多いでしょう。実際に医療機関でも、「35歳に近づいて来たので…」や「35歳を過ぎたので…」のように、35歳というラインを受診の目安に考えている方が多く見られます。

では、男性はどうでしょう。実は男性も35歳を過ぎると、精子量や運動率が優位に低下し始め、40代では精子の質の低下が顕著であることが分かっています。精子の質は、自然妊娠はもちろんのこと、不妊治療を行う場合の成功率にも影響します。精液検査をするべき明確な年齢の規定があるわけではありませんが、妊活を始めようと思ったときに35歳以上であるならば、先に精液検査を受けておくと安心です。

すでにお子さんがいるという方も、前回の妊娠時からは年齢を重ねていますので、生殖機能が同じというわけではありません。

35歳以上で6ヶ月以上妊娠が成立しない場合は、今自分たちが行っている妊活方法が適切かどうか、また妊娠の確率を高める方法はないかなどを医療施設で確認し、必要に応じて不妊症の検査を進めていくのが良いと思われます。

 

 

生理不順や婦人科既往歴がある

35歳未満であっても、普段から生理が不順な方やこれまで婦人科の病気で子宮や卵巣の手術をしたことがあるという方も早めの受診が大切です。

ご結婚のタイミングや妊活を考え始めた頃に、まずはブライダルチェックを受けて妊娠に必要な基本的な機能について確認しておくのもお勧めです。そして、結果が問題なく、無事に妊活をスタートしてもなかなか妊娠が成立しない場合は、1年を待たずに受診し、より詳しい検査などを進めていくと良いでしょう。

妊活中には基礎体温表を付けたり、排卵検査薬を使ったりする方も多いと思いますが、「基礎体温が二相性にならない」「排卵検査が陽性にならない」という場合も、不妊症の定義に倣ってわざわざ1年間待つ必要はありませんので、半年程度そのような状態が続いているならば受診してみましょう。

 

 

性生活が難しい

性交の際に痛みや苦痛を感じたり、性交のプロセスに何らかの不都合が生じるなど、性生活が困難な状態を性交障害と言います。

2023年に20歳以上の日本男性を対象に行った調査によると、日本人男性の約3人に1人が勃起障害(ED)の症状を有すると発表されました※2。

また別の調査では、女性の約6割が性交痛を経験していると言われています※3。

普段、周囲の人と性交について悩みを話す機会などはあまりないかもしれませんが、実は多くの方が性交に関する困りごとを抱えていることがこれらの調査から見えてきます。

こうした困りごとは、とてもプライベートな内容なだけに誰かに相談することが難しく、つい一人で悩みを抱えてしまいがちです。また、パートナーにさえ言えずに我慢しているケースも少なくありません。こうした症状の背景には、生活習慣やストレス、何らかの疾患、精神的要因など多くの要因が関係しており、自分一人で解決できないことも多いのです。

 

セクシャリティに関することは、自分自身の尊厳やパートナーとの関係性にも影響するとても重要なテーマであり、子育てにも大きく関わります。もし性交に関する困りごとがある場合は、一人で我慢をせず専門家にご相談ください。

一般的な窓口として、女性は婦人科、男性は泌尿器科になります。または、二人で不妊クリニックにご相談されても良いでしょう。

 

 

まとめ

「不妊クリニックに受診」というと、『大変』『お金がかかる』などのイメージがあり、ハードルが高いと感じてしまうかもしれません。しかし、事実として妊娠にはタイムリミットがあること、そして今が一番若いということをぜひ覚えておいてください。現状を知ることは妊活の大きな第一歩です。もし迷っているという方は、意義ある一歩を踏み出してみましょう。

 

出典

※1 厚生労働省「不妊治療に関する意識と実態調査」2022年3月公表

※2 一般社団法人日本性機能学会による「日本人男性の性機能に関する全国調査」2024

※3 一般社団法人 日本家族計画協会 (JFPA) 「男女の生活と意識に関する調査」

この記事を書いた人

宮本裕美子

株式会社MEDI-TRAIN
看護師/助産師/保健師
日本思春期学会性教育認定講師
総合病院、クリニックにて、7年間分娩介助に従事。その後、神奈川県内の婦人科クリニックにて、思春期から老年期まで全ての年代の女性を対象にした看護業務に従事。
現在は、湘南鎌倉医療大学博士前期課程にて、リプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)に関する研究を行っている。

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