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避妊方法ってどう選ぶ?自分に合った方法とは

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避妊方法ってどう選ぶ?自分に合った方法とは

 

希望していない時の妊娠を防ぐ「避妊」。避妊方法には、コンドームやピルなどがあることはみなさんご存知だと思いますが、自分に合った避妊方法って何だろうと考えたことはありますか。年齢、体調、性格、生活スタイル、性交に対する考え方、性交の頻度、今後の妊娠計画、避妊に使えるコスト、パートナーの理解や協力など、避妊の背景にある事情は皆それぞれです。

さまざまな避妊方法の特徴を見ながら、自分に合った避妊方法はどんな方法かを考えてみましょう。

 

 

避妊の方法や種類について

正しい避妊方法を知っておくことはとても大切です。避妊の種類や方法について解説します。

コンドーム

コンドームは、最もポピュラーな避妊方法です。メリットは何と言っても安価で簡単に手に入り、誰でも使いやすいことです。デメリットは、正しく使わないと失敗も多いことです。そして、当然ですが性交の場面で持っていなければ使えません。また、パートナーの協力が必須であり、女性の意思だけでは避妊行動がとれません。

 

したがって、コンドームが有効な避妊方法となり得るためのポイントは

  • パートナーと避妊について考えが一致している
  • パートナーとは、お互いに尊重しあえる対等な関係である(「コンドームを着けて」「今日はsexしたくない」などを相手に言うことができ、相手は怒ったり不機嫌になったりすることなく、意見を受け入れてくれる関係)

  • 女性も男性もコンドームを正しく使用する(保管方法、装着の手技、サイズの選択などが適切である)ことができる

  • 性交の場面では、常にコンドームが手元に用意できる(寝室に準備している、外出時に携帯するなど)

 

 

低用量ピル

低用量ピルは、女性ホルモンを含んだ錠剤の薬を内服することで排卵を抑制し、妊娠を防ぎます。費用は、1か月あたり2,000~3,000円前後のことが多いです。

メリットは、飲み忘れなく内服すれば高い避妊効果を得られること、またコンドームのようにパートナーの協力の有無に左右されることなく、女性主体で避妊が行えることです。飲み始めの頃に、嘔気や頭痛、不正出血などの不快症状が出る可能性がありますが、次第に治まることがほとんどです。薬の成分上、わずかに血栓症のリスクが高まりますので、40歳以上、喫煙者、片頭痛、高度肥満など内服に向かない方もいます。また、一日一錠を毎日内服する必要があるので、毎日の継続が苦手な方にとっては手間がデメリットになるかもしれません。

 

ピルは、排卵を抑え子宮内膜(生理ではがれてくるところ)を厚くしないので、生理痛の治療としても使われます。避妊目的のピルは、オンライン処方で開始することもできますが、生理痛や生理の量が多いなど生理に関する症状のある方は、まずは婦人科で診察を受けることをおすすめします。

なお、ピルでは性感染症の予防はできません。ピルを飲んでいても性感染症予防のためにコンドームを付けることが望ましいです。

 

以上のことから、ピルが有効な避妊方法となり得るためのポイントは

  • ピルの内服が可能な健康状態である(喫煙・肥満・片頭痛がない、飲み始めの年齢が40歳未満)

  • 毎日決まった時間に内服できる
  • 避妊もしたいが生理も楽にしたい
  • 女性の意思で妊娠をコントロールしたい
  • 薬が切れないよう、定期的に通院またはオンライン診療を受けられる

  • 毎月2,000~3,000円程度の費用は問題ない

  • 血栓症の兆候がないか自身の健康観察ができ、必要時には受診行動がとれる

 

 

子宮内に装着するリング

子宮内に装着する避妊具はいくつかの種類がありますが、ここでは、子宮内避妊システム(IUS)についてお話します。これは、黄体ホルモンが付いた小さな器具を子宮の中に装着する方法です。受精卵が着床し妊娠が成立するためには、子宮にフカフカのベッドが必要なわけですが、IUSを装着しているとフカフカベッドは作られません。こうして受精卵の着床を妨げることで避妊になります。また、この仕組みにより、生理の量が少なくなり月経痛の軽減も期待できます。装着は、特に入院などの必要はなく、外来で数分程度の処置で終了します。

 

次のような方はIUSの装着もぜひ選択肢に加えてみてください。

  • なんと言っても手間いらずがいい
  • 長期間の避妊を希望している
  • 長期的にコスパが大事
  • ピルが飲めない、または飲みたくない
  • 生理痛が重い/生理の量が多い。またはその両方

  • 女性の意思で妊娠をコントロールしたい

 

 

リズム法

基礎体温を測定して排卵日を予測し、排卵期の性交渉を避けて避妊するという考えです。これは避妊方法の一つでありますが、この方法だけで避妊を行うのは危険です。

体調によって基礎体温が変動すれば排卵期が見つけにくくなりますし、排卵日はあくまで予測なので確実ではありません。また精子の寿命は、一般的に3日とされますが、それ以上生きていることもあり、排卵期を避ければ妊娠しないという保証はありません。

基礎体温を測定して、自分のリズムを把握しつつ、性交時にはコンドームも使うという方法がおすすめです。

 

まとめ

いかがでしたか。避妊したいと思いながらも、コンドーム以外の方法を選択するには心理的なハードルが高いと感じる人も多いでしょう。しかし、人はいつでも理性的に判断、行動できるわけではありません。

「いつもは持っているのに、たまたまコンドームが手元になくて…」「雰囲気に流されてしまい…」「お酒に酔っていて冷静に判断できず…」こんなこともあるかもしれません。

意図しない妊娠をして受診する多くの方(全員と言っても過言ではないかもしれません)は、こう話します。「まさか・・・」と。

ピルや子宮内避妊具は、その時の状況に左右されず避妊行動をとれることがとても魅力だと思いますので、ぜひ検討してみてください。

最後に、まさかが起きた時は数時間前の自分を恨んでも、穴が開くほどスマホを見て調べても事態は変わりません。迷わず緊急避妊ピルの処方を受けに行きましょう。

この記事を書いた人

宮本裕美子

株式会社MEDI-TRAIN
看護師/助産師/保健師
日本思春期学会性教育認定講師
総合病院、クリニックにて、7年間分娩介助に従事。その後、神奈川県内の婦人科クリニックにて、思春期から老年期まで全ての年代の女性を対象にした看護業務に従事。
現在は、湘南鎌倉医療大学博士前期課程にて、リプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)に関する研究を行っている。

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