妊活に向けて知っておきたいこと~こころの準備編~
「そろそろ妊活したいのですが、まず何をすればいいですか?」
「今すぐではないのですが、今からやった方がいいことありますか?」
このようなご相談をよくいただきます。
望んでいない時期の妊娠を防ぐ“避妊”は意識される方も多いですが、いざ妊活となると意外と妊娠について知らないということがよくあります。避妊をやめれば妊娠するとも限りません。
また、めでたく妊娠が成立すると、病院はいつ行けばいい?どこで産む?里帰りする/しない?仕事はどうする?などなど、体調が不安定な中で決めなければいけないことも次から次と出てきます。
そこで、私が妊活の相談に対応しているなかで「こういうことを事前に準備できているといいのにな~」と感じていることを、皆さんにお伝えさせていただだきます。
まずは、妊活にあたって最も大切な準備、2人の「こころの準備」についてお伝えします。
目次
将来や家族計画についての考えの共有
「妊活のことなんて妊娠を考えた時でいいのでは?」と思われるかもしれませんが、まだ具体的に妊娠を考えていなくても、このテーマについてお互いの考えを話しておくことはとても大切です。
実際に妊活がスタートすると、思い通りにいかないこともあり、不安や焦りなどからお互いの率直な気持ちを冷静に話し合う心の余裕が持てないこともあります。
日常の何気ないシーンで、家庭についての互いの思いや考え、子どもをもつかどうか、いつ頃ほしいか、何人くらいほしいかなどイメージを共有しておきましょう。
妊娠についての知識
日本では性教育が十分に行われていません。学校教育の中で習った妊娠に関する知識は、「精子と卵子が受精して妊娠する」ということくらいだったはずです。
また、避妊について教わったことがあるという人はいても、欲しい時に妊娠するための教育を受けたという人はほとんどいないのではないでしょうか。
妊娠にはタイムリミットがあります。限りある大事な時間、お金、そして心身の健康やエネルギーをうまく活かして妊活に取り組むために、妊娠についての知識は必須です。
ネット上や書籍など、いくらでも情報源はあります。妊活を機に、お互いの体のしくみやはたらきを学びましょう。
うまくいかない場合のプラン
妊活に取り組んでも妊娠に至らないこともあります。一般的に、健康な男女が避妊をしないで1年間性交をしていても妊娠しない場合を「不妊」と定義され、不妊治療の対象となります。
不妊治療の門をたたくのは誰でも不安や焦りを感じるでしょう。ですから、事前に不妊治療について知識を得ておくと、そんな自分の心を少し楽にする助けとなります。
不妊治療とは何をするのか、どのような段階があるのか、時間、費用などの情報を得て、「いつ頃までに妊娠しなければここに相談に行こう」というような道標を立てておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。最後にひとつ、子どもをもつためには、自分で産む以外の選択肢もあるということも皆さんに知っておいてほしいと思います。
よく、家族を表現する際に「同じ血が流れている」などと言うことがありますが、これはものの例えで、実際には同じ血液が流れている人間などありません。体や検査の値に異常がなくても妊娠に至らないこともありますし、何らかの異常があっても妊娠に至る場合ももちろんあります。
つまり、「妊活=妊娠」かどうかは誰にもわからないのです。だからこそ、さまざまな家族の在り方があることや、家族とは何かなどについても、すべてのカップルに考えていただきたいなと思います。
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