働き方改革で残業の在り方が変わる!残業削減のポイントを解説
2019年に施行が始まった「働き方改革」とは、働く人々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できるようにするための改革です。働き方改革では「ワーク・ライフ・バランス」が重視され、残業の削減が大きなテーマのひとつとして掲げられています。
しかし、闇雲に「ノー残業デー」などで残業時間をカットするだけでは、結局家に帰ってから業務を行わなければならなかったり、翌日に前日のしわ寄せが行ったりと意味がありません。そこで今回は、残業削減が進まない原因と削減のポイントを解説します。
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目次
働き方改革関連の法案施行で「残業」が変わる
働き方改革が施行される以前は、残業時間には「1か月45時間以内、1年360時間以内」と上限時間は設けられているものの、上限を超えた場合の法的な罰則はありませんでした。また、上限を超えて残業をする場合、労働者との間に特別条項を結べば、規定を超えても問題はないとされていました。
しかし、今回の働き方改革では、残業は特別条項を結んだ場合でも、以下の内容を守らなければ6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられることとなったのです。
- 時間外労働が年720時間以内
- 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
- 時間外労働と休日労働の合計について「2か月平均~6か⽉平均」が全て1月あたり80時間以内
- 時間外労働が⽉45時間を超えることができるのは、年6か月まで
残業削減が進まない原因とは?
残業の罰則規定が制定されたことで、企業は本格的な残業削減に取り組む必要が出てきました。長時間労働が健康に悪影響を与えるのは明らかです。しかし、実際はなかなか残業時間をカットできない企業が多くあります。その3つの原因を見てみましょう。
業務量が適正ではない
人員不足などで労働力が足りないと、時間あたり、一人あたりの業務量が増えてしまいます。その結果、期限までに仕事を終わらせるには残業せざるをえなくなってしまうのです。
仕事の振り方や人材配置が適切ではない
業務を効率的に進めるカギは「適材適所」です。作業内容と個人の能力が合っていない場合、作業効率が落ちるだけではなく、離職につながるリスクもあります。
勤怠管理がずさん
勤怠管理がしっかりと行われていないと、社員の労働時間を把握することができません。その結果、規定を超えた残業を見逃している可能性があります。また、具体的な残業削減の指示が出せないので、なかなか残業を減らせない状況を作ってしまいます。残業を減らすためには、まずはツールを使うなどして勤怠管理をしっかりと行い、社員一人一人の残業時間を把握して適切な指示を出すことが大切です。
残業時間削減のポイント
残業時間をカットするための2つのポイントを解説します。
作業効率の見直し
業務の中にはやり方を変えたり、ツールを導入したりすることで作業時間が短縮できる場合があります。例えば、現場にマニュアルがなければ、作成することでいちいち不明点を確認する手間が省けます。また、単純な入力作業などは専用のツールを導入して自動化することで作業効率を上げることができるでしょう。このように、業務に「ムダ」や「ムラ」がないかを確認し、変えることで楽になる部分はないか確認してみましょう。
長年行っている業務が実は不要な業務であったり、簡略化が可能であったりする場合や、業務手順を見直すことで効率化できる場合もあります。
定時で帰りやすい環境を整える
「同僚や上司が残業しているのに、自分だけ残業しないのは悪い気がする」と、周りの雰囲気で定時で帰りにくいという人は多くいます。また、残業する=仕事に意欲的であるとして、残業が評価につながるため、あえて残業をするという人もいます。
そのため、部署全体で残業が多い場合は、暗黙の了解で残業をする空気を打開しなければなりません。業務後はいったん全員オフィスから出て、残って業務をする人は別の場所へ移る、テレワークを導入して自分の裁量で仕事を切り上げられるなどの方法で、定時で帰りやすい環境を整えることが大切です。
健康経営を進めている企業の中には、残業時間減少で売り上げが伸びたら、その分もボーナスに還元する、あるいは基本給を上げていくといった何らかの措置を講じている企業もあります。
ポイントを抑えて残業削減を推進しよう
残業の削減は従業員の心身の健康を守るだけではなく、時間内に業務を終わらせるために効率を見直すことで会社の生産性が向上するメリットがあります。まずは残業がある原因を把握して、適切な対策で残業を減らしていきましょう。
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