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働き方改革とストレスの関係とは?労働者の負担を減らす対策を解説

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働き方改革とストレスの関係とは?労働者の負担を減らす対策を解説

 

働く人々がそれぞれの事情に応じて多様な働き方を選択できることで、労働生産性を高めることを目的に始まった「働き方改革」。各企業で長時間労働の見直しや、有給休暇取得の徹底などによって労働環境が見直されるようになりました。労働環境が良くなることで、働く人々のストレスも減ると考えられていましたが、実際はどうなのでしょうか。今回は働き方改革とストレスの関係について解説します。

この記事を読むための時間:3分

働き方改革によって労働者のストレスは本当に減ったのか?

働き方改革が始まり、各企業では「ノー残業デーなどによる残業時間の削減」「有給休暇取得の義務化」など、人々がワーク・ライフ・バランスを整えやすくなるように労働環境が整備されました。

 

しかし、厚生労働省が発表した「2018年労働安全衛生調査(実態調査)」を見てみると、「仕事や職業生活に関することで強いストレスとなっていると感じる事柄がある」と回答した人は58.0%にのぼり、働き方改革が始まっていない2013年の52.3%から大きく変わっていません。

 

そして、ストレス源についての調査では、1位が「仕事の質・量」という結果になり、他のアンケートでも仕事の質や量でストレスを感じているとの回答は上位にのぼりました。その理由としては「ノー残業デーのしわ寄せの仕事が帰宅後や翌日にくるから」という声が挙がっています。

 

また、残業が減ったことで残業代が稼げず、生活が窮屈に感じるという声もあります。「働き方改革=長時間労働の削減」と定義して改善活動を行った結果、長時間労働は現実に減ってきているものの、そこで働く社員は必ずしも満足していない状態であるという話もよく耳にします。つまり、働き方改革によって残業時間が減ったり、休みが増えたりしたからといって、必ずしも社員のストレスが減るとは限らないのです。

働き方改革のストレス対策方法

働き方改革は運用の方法によっては、従業員のストレスを減らすどころか増加させてしまう危険があります。働き方改革によって生じるストレスの主な原因は「削減された時間の中で、これまでの業務量をこなさなければならない」ということです。従業員のストレスに注意しながら改革を進める2つのポイントを解説します。

社員の適性や負荷を見極めたマネジメントを行う

日本の総人口が減少している現在、女性活躍推進などにより労働人口の減少は緩和されつつあります。しかし、企業が限られた人材で時間内に業務をこなすためには、一人一人が能力を最大限に発揮できる適材適所の人材配置と、柔軟な働き方の提示が不可欠です。従業員を会社のやり方に合わせさせるのではなく、能力や希望する働き方に合わせた人材配置を心がけましょう。

「ムダ・ムリ・ムラ」を減らす

業務を効率化させて生産性を高めるためには、仕事のプロセスからいかに「ムダ・ムリ・ムラ」を省けるかが重要なポイントとなります。「ムダ」は余分な生産や余計な動作など、除くべき余剰を指します。「ムリ」は時間的余裕のないスケジュールや能力を超えた仕事指示など、実現が難しい計画のこと。そして「ムラ」はムダとムリの中間であり、適正な方式が標準化されていないためにムダとムリの間を行き来している状況のことです。

 

現在の業務中に「ムダ・ムリ・ムラ」にあたる事柄がないかを洗い出し、無駄な工程を省く、ITツールを導入するなどの方法で減らしていきましょう。

働き方改革は「労働者のストレス軽減」も重要なポイント

働き方改革は一見、働きやすい労働環境を作ることで従業員のストレスを減らす効果が高いように思われます。しかし、「残業を減らす」「有給休暇の取得を義務付ける」など、表面上だけ改革を進めるだけでは、逆に従業員にストレスを与える結果になりかねません。

 

職場のどんな問題が原因でストレスを感じているのか。仕事の量的負担が厳しいのか、仕事のやり方に自由度がなくてつらいのか。大切なのは、その施策を行うことで従業員にどのような影響があるのかを考えて、隠れたストレス要因にもしっかりと対策をとるようにしましょう。

この記事を書いた人

伊藤彰浩

株式会社MEDI-TRAIN代表取締役
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー/理学療法士
健康経営エキスパートアドバイザー
スポーツ整形外科でトップアスリートや子どもから高齢者まで幅広い年代に向けたリハビリテーションを経験。
現在は、首都圏を中心にアスリートや産前産後の女性のリハビリテーション、コンディショニングを行っている。
その他、企業の健康経営サポートや医療・介護福祉施設でのリハビリコンサルティングも行っている。

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