骨盤底筋って何?骨盤底筋の役割とセルフケア方法を紹介
人生100年時代を迎え、定年退職以降も働く女性が増えてきています。女性が健康的に働き続けられるようにするためには、女性特有の健康課題について理解を深め、対策することが大切です。今回は、女性のお悩みで多い、尿漏れや骨盤底筋のケアの方法についてお伝えします。
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目次
女性の健康はホルモンが左右する?
1947年には53.9歳であった女性の平均寿命が、2021年には87.1歳となっています。
閉経年齢はあまり変化がないことから、閉経以降の女性の人生がこの70年余りで急速に延びていることが分かります。
閉経すると「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌が低下します。「エストロゲン」は、骨盤底筋や尿道の筋肉の張りを持たせ、骨盤底筋や子宮、膀胱、尿道などを支持する役割をしています。閉経後は、骨盤底筋の筋力も低下しやすくなるため、骨盤臓器脱や腹圧性尿失禁の症状が起きやすくなります。
女性の骨盤底筋にとって人生最大のイベントは出産
出産によって骨盤底筋は、最大3.26倍も伸びると言われています。筋肉が1.5倍以上伸びた時に筋肉が損傷する可能性が高まるとされているので、交通事故レベルの筋肉の損傷に値すると言えます。
怪我をしたらリハビリを行い、筋肉が回復するための治療を行いますが、産後のリハビリについては、日本ではまだ当たり前には行われていないのが現状です。
更年期になる以前からのライフスタイルで、骨盤底筋を意識しながら生活し、ご自身によるケアを行うことが大切です。
骨盤底筋群の役割
骨盤の底に3層構造になってついている小さな筋肉たちの総称が骨盤底筋群です。骨盤底筋群は、骨盤内の臓器を支える役割、体幹を安定させる役割、排泄をコントロールする役割などがあります。
骨盤底筋群が弱くなると、尿漏れや頻尿という尿トラブルが起こりやすくなります。その他にも、ボディラインが崩れやすくなったり、ぽっこりお腹、タレ尻、猫背姿勢にもつながります。さらに、腰痛が慢性化したり、浅い呼吸にも影響があると言われています。
呼吸で尿漏れ改善!?セルフケア方法
骨盤底筋群をトレーニングするためには、まず深い呼吸を意識してみてください。骨盤底筋群は深い呼吸(腹式呼吸)を行っている時に働きます。腹式呼吸は、横隔膜をしっかりと動かして行う呼吸法です。
呼吸は、当たり前にできていると思っている方が多いですが、浅い呼吸になっている方はとても多いです。
腹式呼吸を取り入れた骨盤底筋エクササイズをご紹介します。
①膝を立てて床に寝ます(座位や立位でも可能です)
②胸とお腹に手を当てて、鼻から息を吸った時に胸やお腹のふくらみを感じます。
③口から息を吐く際にお腹が引き締まり、膣や肛門も軽く閉じるように力をいれます(おならを我慢するイメージです)
口から息を吐いて骨盤底筋を締めてから、立ち上がる、歩くなど動き出す前に行うことも効果的です。
まとめ
女性の健康や活力のベースに女性ホルモンがあるというのは確かです。だからこそ、妊娠する前、更年期になる前から、女性の身体に影響が大きい骨盤底筋のケアを行いながら、ライフイベントを乗り越えていくことが大切です。
また、周りに頼れる専門家がいるかどうか、誰を頼れば良いか知っているかどうかで、妊娠期、更年期の過ごし方も変わってきます。ぜひ周りの力も借りながら、ご自身の身体と向き合い、健康的に自分らしく過ごしていただきたいです。
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