男性育休の取得に向けて企業が取り組むポイントを解説!
ここ数年で、男性の育児休業取得を耳にすることが増えてきていますが、育児休業を取った際に男性はどんな役割を担うのか、事前準備が大切です。また、育児休業を取得する方だけでなく、企業側も育休取得をサポートするにあたって知っておきたいポイントを解説していきます。
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目次
男性が取得できる「育児育休制度」について
従来の育児休業法とは、子が1歳になるまで原則男女問わず取得できる制度のことです。2020年の10月から制度が改正され、2回まで分割して取得が可能となりました。
そして、新たに2022年10月から「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設されました。子の出生8週間以内に、父親が最長4週間(28日)を限度として2回に分けて休業できる制度で、育児休業とは別に利用可能です。家族のニーズや職場環境に合わせた、より自由度の高い制度となり、日本の育休制度は世界一とも言われています。
産前産後の変化を理解して寄り添う準備を
産後は、体内のホルモンバランスが急激に変化し、その影響から身体にトラブルが起きたり、精神的にも不安定になりやすい時期です。現在、産後うつになる方は、4人に1人いると言われており、誰がなってもおかしくない実情です。
産褥期(出産後6~8週の期間)に、心も身体も安静にすることで産後の回復は早まり、そのことが産後5~10年後の未来にも直結するほどとても大切な時期です。
この期間に男性がサポートに入ることは、家族の未来の健康や幸せに繋がります。育休を取る男性の方々は、その期間はすべての家事を一人で行うくらいの気持ちを持っていただきたいと願います。
育児休業前に行っておきたい3つの準備とは
ここからは、育児休業前に行っておきたい3つの準備を紹介します。
育児のイメージを事前に持つこと
男性の育児休業をサポートするための取り組み事例として、島根県では「パパの育児手帳」を発行しており、1日の流れややるべきことが分かりやすくまとめられています。このような育児情報を事前に確認し、育休中の生活のイメージを持っておくことが大切です。
また、あるアンケート調査では、ママが望む育休中にパパにやってほしい育児ベスト3は、1位:オムツ替え、2位:夜泣き対応、3位:お風呂担当だそうです。
家庭の状況に合わせて、事前に夫婦で家事の分担やどんな育休にしたいか等のビジョンについても話し合っておくことが大切です。
実際のタスクを書き出す
それぞれのご家庭で、母親と父親が育休を取る時期も違ってくると思います。家事・育児(上のお子さんのお世話・赤ちゃんのお世話)と分けて書いていくことをお勧めしています。実際に書き出すことで、育休中の不安の解消にも繋がります。
お住いの地域の産後ケアなどのサービス資源を調べておくこと
2024年に産後ケアガイドラインの改定概要が発表され、その中には父親への支援が追加されることが明記されています。父親と母親が協力し合って、子どもを育てるという意識を持つことが大切です。
家族だけではなく、地域の力も積極的に借りながら育児を楽しめるように、お住いの地域の産後ケア事業なども調べておきましょう。
男性が育児休業を取りやすくするための企業側の義務について
大手企業を中心とした調査によると、男性の育休取得は46.2%まで伸びており、今後もさらに増えていくことが予想されます(厚生労働省「令和5年度イクメンプロジェクトによる男性の育休取得率公表状況調査」)。
企業側は、本人または配偶者から妊娠・出産の申し出が出た場合、育児休業の申し込み先、社会保険料などについて個別で説明する義務があります。
そして、育休を取得しやすいように、育休に関しての研修の実施や相談窓口設置・取得事例の説明など、環境を整備することも義務づけられています。
企業や地域が力を合わせて、未来を担う子ども達が安心して育っていけるように、母親・父親へのサポートが必要とされています。
まとめ
男性の育休取得が日本の働き方を変える第一歩になり得ると考えています。そして、お子さんとの限りある時間を大切に、家事や育児に取り組んだ経験が仕事にも好影響を及ぼすことは、これまでの育休取得経験者の声からも明らかになってきています。
地域・企業の力を総動員させて子ども達の未来を支えていく、そのような世の中になってほしいと願います。
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