多様な働き方が求められるようになった現在、企業にとって優秀な人材の確保や生産性の向上は大きな課題です。そんな中、多くの企業が実践し始めている健康経営を推進するにあたり注目されているのが「健康経営優良法人」という認定制度。この記事では、健康経営優良法人の概要や、認定されるメリットについてわかりやすく解説していきます。

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健康経営優良法人とは？

まず「健康経営優良法人」という認定制度の概要についてみていきましょう。

健康経営優良法人認定制度について

健康経営優良法人とは、2017年からはじまった経済産業省の認定制度。健康経営を実践している企業として認定されると、「健康経営優良法人」として企業情報が公開されることになります。積極的に取り組みを行っている企業に対して毎年認定を行っており、認定を受けた企業は、経済産業省のホームページで企業名が公開され、認定証の交付やロゴマークの使用許可が得られます。これに認定されると企業広報や採用活動においても一定の効果が期待でき、ホワイト企業として社会的な評価を受けられます。

健康経営優良法人は健康経営銘柄とは違う？

同じように健康経営に関する取り組みを評価して選定する「健康経営銘柄」というものがありますが、健康経営銘柄は経済産業省と東京証券取引所との共同で選定するもので、原則1業種につき1社と決まっています。また、対象となる企業は「東京証券取引所の上場会社」という縛りがある点も異なります。長期的な視点からの企業価値の向上を重視する投資家にとって、魅力ある企業として紹介することを通じ、企業による健康経営の取り組みを促進する目的のもと推進しています。

健康経営優良法人に認定されるメリットとは？

健康経営優良法人に認定されるメリットは、主に以下の5点です。

金利や融資の優遇処置を受けられる

メリットの一つ目は、金融機関から金利や融資の優遇を受けられるという点です。都道府県や金融機関によって優遇の内容や条件設定などが異なりますが、代表的な物は以下の通り。

• 運転資金の貸付利率の引き下げ
• 特別な利率で融資が受けられる
• 保証料の減額や免除

公共調達加点のインセンティブがある

健康経営優良法人に認定されると、公共調達加点のインセンティブがあります。公共調達というのは、国が民間企業から物やサービスを調達（購入や発注）すること。公共調達には入札制度が取り入れられており、入札資格が必要となります。この資格において加点要素があると有利になるため、企業にとっては大きなメリットとなるのです。

助成金制度を活用できる

健康経営優良法人の認定には、健康経営に関する助成金制度を活用することができるというメリットもあります。健康経営の実践には資金が必要となりますが、助成金を活用することで費用を確保することができます。助成金は年によって変わりますが、代表的なものは以下の通り。

• ストレスチェック助成金
• 職場環境改善計画助成金
• 時間外労働等改善助成金
• 小規模事業場産業医活動助成金
• 受動喫煙防止対策助成金

保険料の割引制度を活用できる

健康経営優良法人に認定されることで、保険会社から保険料が優遇される場合があります。それぞれの保険会社によって内容は異なりますが、例えば「団体定期保険の主契約の純保険料を5％割引する」といった割引制度が適用されるケースもあり、活用できれば企業にとっては大きなメリットと言えるでしょう。

社会的評価を受けることができる

健康経営優良法人の認定は、従業員の健康管理を経営的な視線でとらえて戦略的に実践しているという社会的評価を受けられるという点も大きなメリットです。就活生の中には健康経営に取り組んでいるかどうかが重要な決め手になると答える学生もいるほど、健康経営は社会的に重要視されているのです。

健康経営に取り組み健康経営優良法人を目指そう

健康経営優良法人の認定は、企業としての評価の向上だけでなく、従業員のモチベーションアップや離職防止にも繫がることが期待できます。活力向上や組織の活性化のためにも、効果的な健康経営に取り組み、健康経営優良法人を目指してみてはいかがでしょうか。