健康経営の目的と「2つの視点」
近年、健康経営や働き方改革について関心が高まっており、健康経営を取り入れる企業は年々増加してきました。
なぜ今、健康経営が注目されるのか、その背景や目的について解説します。
健康経営とは?
健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する経営手法のことをいいます。
従業員の健康増進などにかかる支出をコストではなく、「健康投資」として捉え、近年では多くの企業で健康経営が実践されるようになりました。
2016年4月に公表された「企業の『健康経営』ガイドブック改定第1版」(経済産業省)によると、健康経営とは「従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」と記載されています。
この定義が、健康経営の考え方の基盤になっています。
健康経営はいつから始まったのか?
健康経営の始まりは、アメリカの経営学と心理学の専門家ロバート・H・ローゼンが著者「The Healthy COMPANY」(1992年)にて提唱されたことが始まりとされています。
『ヘルシーカンパニー』とは、従来分断されていた「経営管理」と「健康管理」を統合的に捉え、企業の利益追求と働く人の心身の健康維持・増進を両立することが、従業員個々の生活の質(QOL)の向上だけでなく、企業活力を高めることにつながります。
また、『ヘルシーカンパニー』の概念では、「不健康な生活習慣への関与」「肥満など生活習慣病の予防」「従業員の医療費負担」といった施策に関する費用をすべて「投資」と考えています。
健康な従業員が働くことによって生産性が向上し、業績向上につながるからです。
健康経営を考える「2つの視点」
健康経営を考えるには「2つの視点」が必要となります。
1つ目は、「従業員の健康」。
2つ目は、「企業の健康」。
この2つの視点を持ち健康経営に取り組むことで、両者が『Happy-Happy』の関係性になっていくことが健康経営の目指すべき姿です。
そのために、まずは従業員が健康的で、生きがい・働きがいのある環境をつくっていくことが必要になります。
そして、企業が健康であること。
会社が潰れてしまっては意味がないため、しっかりとした財務の健全性、成長性をつくっていくことが重要になります。
従業員の心身が健康であれば、活力のある組織をつくることができ、組織風土が変革し業績向上、企業価値の向上へつながり、好循環が生まれていくことが健康経営です。
まとめ
健康経営を適切に取り組んでいくために、今回は健康経営の目的についてご説明しました。
健康経営の取り組み内容は企業によって様々です。
健康経営を効果的に実践し、「従業員の健康」と「企業の健康」の両立を目指していきましょう。
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