「健康経営」実施のメリット4選|実施するべきか?
近年関心が高まっている「健康経営」についてご存知ですか?企業の経営者や役員の方であれば、健康経営を実施するべきか、またどのように実施していくべきかなど、しっかり考えたいと思っている方が多いはずです。そこでこの記事では、健康経営を実施することで得られる4つのメリットを紹介します。また、デメリットについても言及するので、気になる方はぜひ参考にしてください。
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目次
「健康経営」とは
従業員の健康管理・健康増進を経営的な視点で考え、「投資」と捉えて戦略的に実践することです。ただ従業員の健康管理・健康増進だけを目的としているのではなく、業績向上や企業イメージのアップなど、さまざまな面でのプラスの効果を生んでいきます。もともとは1990年代にアメリカで生まれた考え方で、日本では2009年頃から取り組まれるようになりました。2017年度からは、経済産業省と日本健康会議による「健康経営優良法人認定制度」が誕生し、優良な健康経営を実施している法人を顕彰しています。
健康経営を実施する4つのメリット
健康経営の実施には、経営者・従業員の両方にさまざまなメリットがあると考えられています。ここでは、健康経営を実施する経営者が得られる主なメリットを4つ紹介しましょう。
メリット①:企業のイメージが高まる
健康経営を実施する企業は、いわゆるブラック企業の反対にあたるホワイト企業であるというイメージを獲得しやすいです。特に、「健康経営優良法人認定制度」によって「健康経営優良法人」に認定されると、ロゴを会社のホームページに掲載でき、消費者や関係企業、金融機関などへのアピールとなり、企業イメージの向上と社会的評価にもつながります。
メリット②:人材の確保
求職者へのアピールにもなるので、優秀な人材の確保などに繋がり、結果的に将来の利益増加が期待できます。経済産業省の資料によると、就活生とその親に「どのような企業に就職したいか、またはさせたいか(3つまで回答)」と聞いた調査で、「従業員の健康や働き方に配慮している企業」という回答が最も多く、就活生・親の両方が4割を超えました。(参照:経済産業省 商務情報政策局)
メリット③:労働生産性の向上&リスク管理
従業員が心身の不調を抱えたまま業務に当たっていると、集中力ややる気、思考力などが低下し、労働生産性が下がるものです。このような、出勤しているものの心身の健康上の問題によって業務のパフォーマンスが低下した状態のことを「プレゼンティズム」と呼びます。東京大学の研究によれば「プレゼンティズム」が要因の経済損失は日本全体で年間19.兆円、1人あたりに換算すると年間30万円です。(参照:https://note.com/fairwork_member/n/n9227631c62ab)さらに、重大なミスや事故を引き起こすリスクもあるため、健康経営は従業員の健康、仕事のパフォーマンスの向上やリスク管理(リスクマネジメント)に繋がります。
メリット④:従業員の離職率低下
心身の健康を崩して働けなくなる従業員が減ることで、離職率が低下します。離職率の低さは求職者へのアピールになるほか、長期的な人材の確保に。さらに、優秀な社員の流出や、従業員補充のための人材採用費を抑えることができるので、大きなメリットだと言えるでしょう。
デメリットもある?
健康経営には注意したい点もあります。それは、成果が明確にわかりにくいという点です。健康経営による従業員の健康度への影響は、数値化しにくく、またすぐに効果ができる訳ではありません。中長期的な取り組みと考え、データ収集と課題発見をしていく必要があります。また、担当者を配置したり、セミナーを開いたり、設備を導入したりするにはコストがかかるので、それを「投資」と捉えて推進して行けるかどうかがカギになるでしょう。
健康経営は実施するべき?
企業は健康経営を実施していくべきでしょう。なぜなら、健康経営にはさまざまなメリットがあると考えられるうえ、実施しない場合のリスクが大きいからです。怪我や病気で働けなくなる従業員が増え、健康経営を実施していないことで社会的評価が下がり、必要な人材が確保できなくなると、企業の発展は見込めないのではないでしょうか?
また、健康経営に注目が集まる背景には、少子高齢化が急激に進む日本での労働力人口の減少があります。労働力人口が減少する中、ブラック企業や労働環境が悪い企業で働こうという人は激減するでしょう。良い人材は、健康経営を行っている企業に集まるようになります。加えて、国が健康経営を推進するのは「国民の健康寿命の延伸」の取り組みのひとつであるからで、働く人の健康は企業に求められる課題であると言えます。
健康経営実施のメリットに注目しよう
健康経営実施のメリットを紹介しました。健康経営は単に従業員が健康にイキイキと働けるというだけでなく、「企業のイメージ向上」「人材の確保」「労働生産性の向上&リスク管理」そして「従業員の離職率低下」という企業側のメリットも大きいのです。したがって、「従業員の健康増進そのものも事業の成果として位置づけ、企業の利益と従業員の健康の総和の拡大を図ること」を目的として、健康経営をどのように進めていくか考えてみてはいかがでしょうか。
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