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健康経営とハラスメントの関係性とは?意外にも深い結びつきが

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ハラスメントと健康経営の関係性を議論する社員

 

近年関心が高まっている健康経営。一方で、2020年には「パワハラ防止法」が施行され、2022年4月からは中小企業も職場におけるハラスメント防止措置が義務付けられるなど、ハラスメント対策にも注目が集まっています。実はそんな健康経営とハラスメントに深い結びつきがあることを知っていますか?

 

この記事では、健康経営とハラスメントの関係性についてわかりやすく整理して解説していきます。健康経営とハラスメント対策について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

この記事を読むための時間:3分

職場で発生する主なハラスメント

ハラスメント(Harassment)とは、「嫌がらせ」や「迷惑行為」といった意味の言葉です。ハラスメントは非常に多様で、定義・分類するのが難しい部分もありますが、「セクハラ」「パワハラ」などのようにハラスメントの種類によっていくつかに分類されています。ここでは、職場で発生しやすいハラスメントを5種類チェックしましょう。

パワーハラスメント(パワハラ)

職場で最も問題となりやすいパワーハラスメント、通称「パワハラ」は、職務上や社会的な地位が上のものが、その優位性を利用して嫌がらせをすること。その内容は「業務上必要かつ適正の範囲を超えたもの」で、「労働者の就業環境が害される(能力を発揮できなくなるなど仕事に悪影響となる)もの」の場合を指します。

 

<例>:部下に物を投げつける(身体的攻撃)、職場で孤立させる(人間関係からの切り離し)、気に入らない部下に仕事を与えない(過小な要求)など

セクシャルハラスメント(セクハラ)

職場におけるセクシャルハラスメント、通称「セクハラ」は、性的な嫌がらせにより、労働条件の不利益を受けたり、就業環境が害されたりすることです。性別や上下関係、性的指向に関わらず、性的な言動は全て該当する可能性があります。

 

<例>:異性の部下に交際を求め、断られたため減給する(対価型セクハラ)、社員と顔を合わせるたびに「結婚はまだか」と尋ねる(環境型セクハラ)など

モラルハラスメント(モラハラ)

モラルハラスメント、通称「モラハラ」とは、道徳・倫理に反した精神的な嫌がらせのこと。肉体的な暴力は使われないのが特徴です。パワハラとの違いは、必ずしも加害者が上の立場とは限らない点で、同僚や部下によるモラハラも発生します。

 

<例>:本人に聞こえるように同僚の悪口を言う、わざと舌打ちやため息をする、長期に渡って業務外の雑用を押し付ける、など

妊娠・出産・育児休業等ハラスメント

これらは、職場における妊娠・出産、育児休業、介護に関する嫌がらせにより、就業環境が害されるハラスメントです。それぞれマタニティハラスメント(マタハラ)、パタニティハラスメント(パタハラ)、ケアハラスメント(ケアハラ)などと呼ばれることもあります。

 

<例>:妊娠を理由に女性社員の契約を打ち切る(マタハラ)、育休を取得した男性社員に子会社への出向を命じる(パタハラ)、働きながら家族の介護をしている社員をパートに降格させる(ケアハラ)など

ジェンダーハラスメント

職場におけるジェンダーハラスメントとは、性別に関する言動による嫌がらせにより就業環境が害されるハラスメントのこと。「女だから」「男だから」という性別の価値観や、性差別意識から生まれることが多いです。

 

セクハラとの違いは、「性的な言動」か「性別に関する言動」かという点で、ジェンダーハラスメントはセクハラに該当することもあります。また、ジェンダーハラスメントをなくすためには、LGBTQへの深い理解も必要です。

 

<例>:「女だからお茶をくめ」「男のくせに○○だ」といった発言、女性だからと言う理由で昇進させない、男性だからと体力のいる外仕事ばかりさせる、など

健康経営とハラスメントの関係性

健康経営とハラスメントの関係性

 

ここからは、健康経営とハラスメントの関係性について紹介していきます。

①ハラスメントを受けると健康に影響する

ハラスメントの被害者は心身に傷を負い、その結果、不眠症や適応障害、うつ病などを発症するケースがあります。平成28年度の調査によると、パワーハラスメントを何度も繰り返し経験した方のうち、36.1%が「眠れなくなった」、20.9%が「通院したり服薬をした」、2.2%は「入院した」と答えました。(参照:平成 28 年度 厚生労働省委託事業「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書(概要版)

②被害者でなくてもメンタルヘルスに影響する

職場でハラスメントが発生すると、職場の雰囲気が悪くなり、被害者でなくても就業環境が害されます。さらに、ハラスメントが横行する職場で働く従業員のメンタルヘルスに影響を及ぼす場合も。つまり、ハラスメントは職場全体の健康経営を妨げる存在であると言えます。

 

③ハラスメントは連鎖する

ハラスメントの厄介なところは、人は厳しく辛い状況に置かれると、自分より弱い立場の人に対してハラスメントをしがちになるということにあります。職場でハラスメントを行っている従業員も、かつて、あるいは今も上司からハラスメントを受けていて、それを自分の部下に行っているということもよくあります。

健康経営とハラスメントには深い関係性が

健康経営とハラスメントの関係性について紹介しました。健康経営とハラスメントは密接に関係しているため、「ハラスメント対策」は健康経営において重要な施策です。また、反対に健康経営に取り組んでいない職場では、従業員のストレスやメンタルヘルスの不調などからハラスメントが起きやすくなるとも言えます。

 

健康経営とハラスメントの関係性を押さえたうえで、会社としてハラスメントを許さない、撲滅に向けての取り組みを進めていきましょう。

この記事を書いた人

伊藤彰浩

株式会社MEDI-TRAIN代表取締役
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー/理学療法士
健康経営エキスパートアドバイザー
スポーツ整形外科でトップアスリートや子どもから高齢者まで幅広い年代に向けたリハビリテーションを経験。
現在は、首都圏を中心にアスリートや産前産後の女性のリハビリテーション、コンディショニングを行っている。
その他、企業の健康経営サポートや医療・介護福祉施設でのリハビリコンサルティングも行っている。

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