健康経営における社内の食事改善の施策例|なぜ重要なのか?
従業員の健康づくりを経営視点から「投資」と捉え、戦略的に取り組む「健康経営」。その重要な取り組みのひとつに社内の食事改善が挙げられます。とはいえ、社内の食事改善とはどのように取り組んでいけば良いのでしょうか。そんな悩みを持つ方のために、この記事では、健康経営における食事改善の施策例を紹介していきます。健康経営において食事改善が重要な理由も解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
この記事を読むための時間:3分
目次
健康経営において食事改善が重要な理由
まずは、健康経営において食事改善が重要と言われる理由を紹介します。
食事はさまざまな健康リスクと関わる
食事が関わる健康リスクはさまざまです。代表的な生活習慣病である、高血圧、脳卒中、心臓病といった循環器疾患は、塩分の過剰摂取により発症リスクが高まったり、ビタミン・ミネラルの不足は、骨粗鬆症、貧血などの一因になると言われています。また、十分な量の野菜や適量の果物の摂取は、循環器疾患やガンの発症予防に効果的だと言われています。
食生活の改善は健康な身体作りや生活習慣病対策につながり、仕事効率にも大きく影響しますが、仕事が忙しいと外食が続いたり、コンビニの菓子パンやインスタントラーメンで済ませてしまいがち。仕事においても生活においても、高いパフォーマンスを発揮するためには、正しいバランスで食事をとり、十分な食事の時間を確保できる環境を整えることが大切です。そのため、社内での食事改善施策は、健康経営に重要なのです。
「健康経営度調査」の項目にもある
社内で食事改善の取り組みを実施しているかどうかは、「健康経営優良法人」の認定の審査に使われる「健康経営度調査」の項目にもなっています。「制度・施策実行」の「具体的な健康保持・増進施策」内に「⑩食生活の改善に向けた取り組み」と記載があります。専門家による委員会で策定されているこの項目にあることからも、食事に関する取り組みが重要であることがわかるでしょう。
社内での食事改善の施策
続いて、社内での食事改善の具体的な施策例を見ていきましょう。
社食で健康メニューを提供
栄養バランスの良い食事を社員食堂で提供することで、社員の食事改善につながります。最近は、健康経営の観点から適正な食習慣の獲得による、従業員の作業効率の向上を図るため、朝食をきちんととれるように社員食堂などで朝食を提供する企業もあります。しかし、コストの面やリモートワークの増加などにより、社食の設置は難しいという会社も多いでしょう。そのため近年は、「出張お弁当販売」や「デリバリー型社員食堂」「設置型社食」などといったサービスも人気です。
社食で栄養素・カロリー等の表示
社食を設置している、または設置する予定の企業は、栄養素・カロリー等を表示することもひとつの施策です。食事を選ぶ際に栄養素・カロリーなどが目に入ることで、健康意識の向上が期待できます。
自動販売機の中身の変更
社内の自動販売機飲料を低糖・低カロリーもしくは、水やお茶を増やすなどといった取り組みも行われています。また、特定保健用食品(トクホ)や、日本人に不足しがちな食物繊維を含む飲料などを増やすのも手です。さらに、社内で販売しているお菓子も、ヘルシーなものも選べるようにしてみましょう。
食事補助の福利厚生を導入
従業員が喜ぶのが、「ランチ補助」のような食事補助の福利厚生の導入です。栄養バランスやカロリーを考えたメニューを扱うサービスの利用などに限り、上限を決めて従業員の食事・飲食代を企業が負担するというもの。従業員にとっては金銭的に嬉しくもあり、積極的に健康的なメニューを食べられる施策です。
食と健康のセミナー実施
健康経営の食事改善は、従業員の意識を変えることが大切です。「仕事のパフォーマンスを高める食事術」「働く女性の食と健康美」など、興味をそそるテーマでイベントを企画し、食事や健康の知識と意識向上の機会を作りましょう。
栄養指導・相談窓口の設置
食事に関する悩みや疑問があったり、「食事を改善するべきだが何をしたら良いかわからない」と思っていたりする従業員も多いはずです。しかし、セミナーの実施だけでは一人ひとりをカバーできません。そこでおすすめなのは、従業員が気軽に専門家に相談し、専門的に指導してもらえるようなサポート体制を作ること。
企業の規模に合わせて、人材確保や外部機関との連携に取り組んでいきましょう。
健康経営は社内の食事改善も実施しよう
健康経営における社内の食事改善の施策を紹介しました。企業ができるのは主に、従業員が日常的に栄養バランスの良い食事ができる体制作り、食事・健康の知識と意識向上の機会作り、そして専門家に相談できるサポートです。運動機会の促進、感染症予防対策など他の施策と併せて、社内の食事改善も実施していきましょう。
次の記事へ